第1回「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の電子申請受付が、2026年9月30日に始まりました。申請締切は2026年10月30日18時です。受付開始から締切まで約1か月しかありません。
最大9,000万円の大型補助金ですが、申請画面へ事業名と金額を入力するだけでは申請できません。GビズID(法人・個人事業主が複数の行政サービスへログインするための共通認証アカウント)、一般事業主行動計画、決算・賃金情報、事業計画、見積、資金調達、市場データなどを整理する必要があります。
「第1回へ申請したいが何から始めればよいか」という事業者向けに、10月30日までに行う作業をまとめます。
第1回の公募日程
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 公募開始 | 2026年6月29日 |
| 電子申請受付開始 | 2026年9月30日 |
| 申請締切 | 2026年10月30日18時 |
| 採択発表 | 2027年1月頃予定 |
締切日の18時を過ぎると申請できません。入力途中でも締め切られる可能性があります。アクセス集中、添付エラー、認証エラーを考慮し、遅くとも締切前日までの申請完了を目標にしてください。
最初にGビズIDを確認
申請は電子申請のみで、GビズIDプライムが必要です。アカウントを持っているだけで安心せず、実際にログインできるか、登録メールアドレスと電話番号が現在も使えるかを確認します。
アカウントがない場合は、すぐに取得手続を始めてください。発行に時間がかかる可能性があり、計画書が完成してもIDがなければ申請できません。代表者変更や法人情報変更がある場合も早めに確認します。
一般事業主行動計画の公表を確認
申請には、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を「両立支援のひろば」で公表することが必要です。登録から掲載まで1~2週間程度かかる場合があります。
まだ公表していない事業者は、計画期間、目標、対策、実施時期を決め、直ちに手続します。自社サイトへの掲載だけで済ませず、指定サイトで公開状態になっていることを確認してください。
1週目:対象可否と枠を判断
10月上旬までに、申請者要件と枠を決めます。従業員0人、みなし大企業(中小企業でも大企業の出資や役員支配などにより、補助金上は大企業に準じて扱われる事業者)、過去3年間に関連補助金の交付決定(採択後の経費確認を経て、補助事業へ着手できることを事務局が正式に決めること)を2回以上受けた事業者など、対象外条件を確認します。
次に3枠から選びます。
- 自社技術を生かした革新的な新製品・サービス開発:革新的新製品・サービス枠
- 自社にとって新しい製品と市場への大型進出:新事業進出枠
- 新しい国・地域への輸出に向けた国内体制強化:グローバル枠
補助率や上限だけで選ばないでください。枠と事業内容が一致しないと、その後に文章を作り込んでも採択は難しくなります。
1~2週目:見積と資金調達を進める
設備メーカー、工事会社、システム会社へ見積を依頼します。見積には型番、仕様、数量、単価、納期、設置費、工事範囲を記載してもらいます。「設備一式」「システム一式」では、必要性と価格妥当性を判断できません。
新事業進出枠とグローバル枠では、機械装置・システム構築費または建物費のいずれかを必ず含めます。革新的新製品・サービス枠では、機械装置・システム構築費が必須です。
補助金は後払いです。金融機関から資金提供を受ける場合は、金融機関による確認書が必要です。融資相談には決算書、投資見積、売上計画、資金繰り表を持参し、補助金入金までのつなぎ資金を相談します。
2週目:市場と顧客を確認
新規事業の顧客、課題、競合、価格、市場規模を調べます。ネット上の業界統計だけでなく、既存顧客へのヒアリング、商談、試作評価、購入意向を集めます。
新事業進出枠では、自社にとって新しい製品と市場を区別して説明します。新市場性を主張する場合、性能、サイズ、素材、価格帯、地域、顧客層を加えて市場を都合よく狭めることはできません。高付加価値性を主張する場合、同じジャンルの相場価格と自社の価値を比較します。
2~3週目:数値計画を作る
売上を「市場の1%」だけで計算せず、顧客数×単価×頻度、設備能力×稼働率×単価、商談数×成約率×平均受注額へ分解します。設備納入直後から満稼働にせず、試作、営業、人材育成の期間を入れます。
本制度では、付加価値額(企業が事業活動によって新たに生み出した価値を表す指標)年平均4.0%以上、1人当たり給与支給総額(給料や賞与など、企業が従業員へ支給する給与の合計額)年平均3.5%以上、毎年の事業場内最低賃金(同じ事業場で働く従業員に実際に支払う時間給のうち最も低い金額)を地域別最低賃金+30円以上とする計画が必要です。賃金台帳と決算書から基準値を計算します。
賃上げ特例を使う場合は、1人当たり給与支給総額年平均6.0%以上と地域別最低賃金+50円以上が必要です。この特例は補助上限額を引き上げる制度です。補助率を2分の1から3分の2へ引き上げるのは、別の地域別最低賃金引上げ特例です。
3~4週目:計画書と電子申請を完成
計画書では、会社の強み、市場課題、新製品・サービス、設備、実施体制、販売方法、収益、賃上げを一つの流れにします。設備カタログの説明だけでは足りません。
電子申請へ入力した内容と添付資料の数字が一致するか確認します。従業員数、補助率、補助上限、経費合計、補助金額、売上、給与目標がずれていないかをチェックします。
締切直前に初めて電子申請画面を開くと、想定していなかった入力項目や添付形式が見つかります。10月中旬までに一度全項目を確認し、不足資料を洗い出してください。
10月30日までに最低限確認する項目
- GビズIDプライムでログインできる
- 一般事業主行動計画が公表済み
- 申請枠と事業内容が一致している
- 申請者・過去採択・みなし同一事業者の条件を確認した
- 設備・工事・システムの見積と納期を確認した
- 補助金入金までの資金を確保できる
- 顧客、市場、競合、価格の根拠がある
- 付加価値・給与・最低賃金の目標を計算した
- 建築・消防・保健所・業法上の許認可を確認した
- 交付決定前に発注・契約しないことを社内共有した
- 電子申請と添付資料を第三者が見直した
交付決定前に発注しない
申請を急ぐ中で、納期確保のため設備を先に発注したくなることがあります。しかし、補助対象経費(補助金の計算対象として公募要領で認められた支出)の発注・契約は原則として交付決定後です。採択通知も交付決定ではありません。
採択発表は2027年1月頃の予定で、その後に交付申請・交付決定があります。見積取得と仕様検討は進めつつ、発注書、契約書、着手金の支払いは交付決定まで待ちます。
間に合わない場合の判断
締切が近いからといって、未確定の設備、根拠のない売上、未相談の融資で申請するのは危険です。採択されても交付申請や事業実施ができず、辞退や取消しになる可能性があります。
申請するかどうかは、10月前半に判断します。対象要件を満たし、設備・市場・資金が具体的なら第1回へ進みます。構想段階なら、次回公募や別制度も含めて準備を整えます。
奈良県からの相談にも全国オンライン対応
行政書士法人奈良総合事務所では、奈良県を中心に、全国の事業者からオンラインで補助金の相談を受け付けています。対象可否、枠選択、設備・建物費、資金調達、事業計画、電子申請、採択後の交付申請、実績報告(補助事業の実施内容と支出証拠を事務局へ提出する手続)、補助金入金後の報告まで一貫して対応可能です。
第1回へ申請する場合、受付期間はすでに始まっています。「新規事業の内容は決まっているが、どの枠か分からない」「大型設備の見積はあるが、要件を確認していない」という段階から、早めに整理してください。
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