建設業許可の専任技術者(旧制度で用いられた、建設業の営業所に常勤して技術面を担う技術者の呼称)になれるかは、資格の正式名称と取得したい許可業種の組合せで決まります。現在の制度上は、一般建設業の「営業所技術者」、特定建設業の「特定営業所技術者」として確認します。この記事では、検索で広く使われる専任技術者という言葉も併記して解説します。
「施工管理技士なら全ての業種を取れる」「1級でなければ認められない」という理解は正確ではありません。奈良県の資格表に沿って、まず一般建設業の代表例を見ていきましょう。
施工管理技士の資格と対応業種の代表例
以下は一般建設業の代表的な対応例です。表にない業種が全て対象外という意味ではなく、追加の実務経験等を条件に認められる組合せも別にあります。
表はスマートフォンで横にスクロールできます。
| 資格 | 対応する許可業種の代表例 | 確認点 |
|---|---|---|
| 1級土木施工管理技士 | 土木、とび・土工、石、鋼構造物、舗装、しゅんせつ、水道施設 | 解体は合格年度による追加条件にも注意 |
| 2級土木施工管理技士・土木 | 土木、とび・土工、石、舗装、しゅんせつ、水道施設 | 鋼構造物塗装・薬液注入とは区分が違う |
| 1級建築施工管理技士 | 建築、大工、左官、とび・土工、屋根、タイル・れんが・ブロック、鋼構造物、鉄筋、板金、ガラス、塗装、防水、内装仕上、熱絶縁、建具 | 複数の専門工事に対応するが全29業種ではない |
| 2級建築施工管理技士・建築 | 建築工事業 | 躯体・仕上げとは対応業種が異なる |
| 2級建築施工管理技士・仕上げ | 大工、左官、屋根、タイル・れんが・ブロック、板金、ガラス、塗装、防水、内装仕上、熱絶縁、建具 | 合格証明書の種別まで確認 |
| 1級・2級電気工事施工管理技士 | 電気工事業 | 電気通信工事と混同しない |
| 1級・2級管工事施工管理技士 | 管工事業 | 水道施設工事とは別の業種 |
| 1級・2級電気通信工事施工管理技士 | 電気通信工事業 | 電気工事施工管理技士とは別資格 |
| 1級・2級造園施工管理技士 | 造園工事業 | 希望する工事の内容も確認 |
2級建築施工管理技士の「躯体」や、2級土木施工管理技士の他の種別についても、別の対応があります。「2級施工管理」と略さず、資格証の名称・種別をそのまま確認してください。
建築士で確認できる業種
表はスマートフォンで横にスクロールできます。
| 資格 | 一般建設業で対応する業種 |
|---|---|
| 一級建築士 | 建築、大工、屋根、タイル・れんが・ブロック、鋼構造物、内装仕上 |
| 二級建築士 | 建築、大工、屋根、タイル・れんが・ブロック、内装仕上 |
| 木造建築士 | 大工、内装仕上 |
建築士の資格を持っていても、電気・管など全ての専門工事の技術者要件を満たすわけではありません。また、設計業務に関する建築士事務所の登録と、建設業許可は別の制度です。
「技士」と「技士補」は同じではない
第一次検定合格による技士補と、第二次検定まで合格した施工管理技士は分けて確認します。奈良県の資格表では、技士補等について、対応する業種の実務経験を加える組合せが掲載されています。
資格表の「7」「7※」「7○」は同じ意味ではありません。「7※」は実務経験3年、「7○」は実務経験5年を伴う区分です。技士補の名称が表に載っているだけで、経験ゼロでも対象業種の営業所技術者になれると判断しないでください。資格と業種を交差させ、必要な期間と証明書類まで確認します。
解体工事は合格年度も確認する
解体に対応する土木・建築の施工管理技士でも、平成27年度までの合格者については、合格後の解体工事の実務経験1年以上、または登録解体工事講習の受講が必要となる場合があります。
昔取得した資格を使う際は、資格名だけでなく合格年度も知らせてください。奈良県の資格表にある灰色の経過措置コードを、現在そのまま使える制度と取り違えないことも重要です。
国家資格があっても常勤性は確認される
資格証で技術的な要件を示せる場合でも、申請する営業所での常勤・専任の要件は別です。他社に常勤したまま資格だけ貸すことはできません。
資格だけで対応できる業種と、追加の実務経験を要する業種を分けると、必要資料が明確になります。追加経験が必要な場合は、工事記録と年金記録等による経験期間の確認も準備します。
一般建設業の表を特定建設業へ流用しない
特定建設業は別の資格表で確認します。特に土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の指定建設業では、一定の国家資格または同等以上の大臣認定による要件が求められます。
一般建設業で使える2級資格があるから、そのまま特定建設業へ変更できるとは限りません。取引の規模だけでなく、予定する下請契約と必要な技術者の組合せを先に確認します。
資格証を相談に持参するときの確認項目
- 資格の正式名称、級、種別・選択科目
- 合格年度、免状等の交付日、有効期間
- 取得したい許可業種と実際の工事内容
- 追加経験に使える勤務先と工事の記録
- 現在の雇用・役員関係と、営業所での勤務予定
当事務所では、資格証と希望する工事内容を照合し、対応業種と追加資料を整理します。資格取得の勉強を始める前の段階でも、必要な許可業種から相談いただけます。
あわせて読みたい記事
- 第二種電気工事士・給水装置工事主任技術者で建設業許可は取れる?必要な実務経験
- 資格なしでも建設業許可の専任技術者になれる?10年の実務経験と学歴による短縮
- 奈良県の実務経験証明書の準備|年金記録・工事契約書・前勤務先の証明をどうそろえる?
