一般建設業許可(発注者から直接請け負った工事で大規模な下請契約を結ばない場合の建設業許可)の財産的基礎を資金調達能力で確認する場合、銀行等の残高証明書が使われます。大切なのは、金額だけでなく、申請者の名義、証明する基準日、申請までの期間が合っていることです。
先に証明書を取るのではなく、その証明方法が必要かを決算資料等から確認してから準備しましょう。
残高証明書が必要かを先に確認
一般許可の財産的基礎には複数の確認経路があります。自己資本の基準を満たすなど、別の方法で確認できる場合もあるため、全員が必ず残高証明書を提出するわけではありません。
特定建設業許可(元請業者が一定額以上の下請契約を結んで工事を施工する場合に必要な建設業許可)では財務基準が異なり、500万円の残高証明書があれば足りるという扱いではありません。まず一般・特定の区分を確認してください。
基準日と発行日を混同しない
残高証明書には「いつの残高を証明するか」という基準日があります。奈良県では、申請時の確認に使う基準日が申請日から1か月以内となるように準備する必要があります。
今日発行された証明書でも、証明対象の残高が何か月も前なら、そのまま使えるとは限りません。銀行への依頼時には「発行日」だけでなく「残高の基準日」を確認しましょう。
複数の銀行を利用する場合
複数銀行の預金を合算して確認する場合は、同じ基準日で証明をそろえます。別々の日の残高を合計すると、口座間で移動した同じ資金を二重に数える可能性があるためです。
例えば、A銀行の月初残高とB銀行の月末残高をそのまま足し合わせる準備は避けます。双方の銀行で同じ日の証明を出せるか、発行に何日かかるかを確認してから依頼してください。
取得前のチェックリスト
表はスマートフォンで横にスクロールできます。
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 名義 | 許可申請者の資金として確認できる名義か |
| 金額 | 必要な基準を満たすか |
| 基準日 | 申請予定日からみて有効な期間内か |
| 複数口座 | 基準日を統一しているか |
| 発行所要日数 | 銀行の発行・郵送に間に合うか |
| 申請日程 | 他の書類がそろい提出できる見込みか |
法人申請で代表者個人の口座をそのまま使えるとは限りません。名義が異なる場合は、銀行へ依頼する前に確認します。
通帳のコピーとの違い
通帳やネットバンキングの画面は資金の動きを知る資料ですが、残高証明書と同じ書類ではありません。申請上求められる証明を、画面のスクリーンショットだけで置き換えられると考えないでください。
証明書を取得後に予定が大きく遅れた場合は、再取得が必要になることがあります。他の要件確認が完了する前に早過ぎる取得をしないことが、手間を減らすポイントです。
申請費用と運転資金を分けて考える
財産要件の確認と、申請手数料や報酬の支払いは別です。許可後は外注費や材料費の支払いが先行する場合もあるため、実際に事業を回せる資金計画を用意しましょう。
残高が基準を満たすかだけでなく、入出金の予定を確認して、申請準備と事業開始の両方に無理がないよう進めます。
よくあるご質問
残高証明書を取った後に申請が延期になりました。
基準日が有効な期間内かを再確認します。期限を超える場合は再取得を検討します。発行日が新しく見えても、基準日の確認を省かないでください。
増資をしないと残高証明は使えませんか?
一般許可では資本金と資金調達能力は別の観点です。自社に適した確認方法を、決算・資金資料をもとに検討してください。
