一般建設業許可(発注者から直接請け負った工事で大規模な下請契約を結ばない場合の建設業許可)を取るために、必ず資本金を500万円以上にしなければならないわけではありません。財産的基礎の確認には、自己資本、資金調達能力、過去の許可営業実績による経路があり、資本金だけで判断する制度ではないためです。
ただし、特定建設業許可(元請業者が一定額以上の下請契約を結んで工事を施工する場合に必要な建設業許可)は基準が異なります。この記事ではまず一般許可を中心に、混同しやすい三つの金額を整理します。
資本金・自己資本・預金残高は違う
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| 項目 | 意味 | 確認時の注意 |
|---|---|---|
| 資本金 | 会社の資本として計上する金額 | そのまま現在の預金額ではない |
| 自己資本 | 法人では貸借対照表の純資産など | 利益や損失の蓄積でも増減する |
| 預金残高 | 基準日に銀行口座へ残っている資金 | 資本金や純資産と一致するとは限らない |
資本金500万円で設立しても、経費の支出や損失によって純資産・預金が減ることがあります。反対に資本金が少なくても、利益を蓄積して自己資本が増えている会社もあります。
一般建設業許可の財産的基礎
一般許可では、自己資本500万円以上、500万円以上の資金調達能力、許可を受けて継続して営業した所定の実績など、いずれかの基準を満たすかを確認します。新規申請で初めて許可を取る方は、通常、自己資本や資金調達能力の面から検討します。
どの経路を使うかによって必要資料が変わります。決算書を確認せずに「とりあえず増資する」「全員が残高証明書を取る」と進めるのではなく、今ある資料を先に確認しましょう。
資本金が100万円の会社はどう考えるか
資本金100万円でも、それだけで一般許可が不可になるわけではありません。直前決算の純資産や、残高証明書等による資金調達能力を確認します。
これは「申請日に一時的に数字を見せればよい」という趣旨ではありません。実際の事業資金として、工事の仕入れ、外注費、人件費、入金までの運転資金をどう賄うかも考えておく必要があります。
新設法人と個人事業主の注意点
新設法人は直前の確定した決算がないため、設立時の財務資料等を踏まえて確認します。会社設立に使った資金と、その後の支出、申請時の証明方法を整理します。
個人事業主には法人のような資本金がありません。個人の自己資本の算定方法や資金調達能力を確認します。法人の純資産と同じ欄を探せばよいわけではないため、申告資料と必要な証明を照合してください。
特定建設業許可は四つの基準を確認
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| 基準 | 基本となる内容 |
|---|---|
| 欠損の額 | 資本金の20%を超えないこと |
| 流動比率 | 75%以上 |
| 資本金 | 2,000万円以上 |
| 自己資本 | 4,000万円以上 |
特定許可ではこれら全てを満たすことが必要です。一般許可で用いる500万円の残高証明だけでは代替できません。判定の基準となる決算や増資の扱いも確認が必要です。
相談前に用意する資料
直前の決算書・確定申告書、現在の資本金、設立日、今後の増資予定、申請したい許可区分を整理してください。財産要件を満たしても、経営管理や技術者など他の要件も必要です。
資本金だけを変更する前に、許可に必要な対応と会社の資金計画を一緒に確認すると、不要な手続を避けやすくなります。
よくあるご質問
500万円は行政に払うお金ですか?
違います。一般許可の財産的基礎に関する金額です。申請手数料や行政書士報酬とは別の話であり、500万円を申請費用として納めるものではありません。
赤字なら一般許可は取れませんか?
赤字という一つの事実だけでは判断できません。自己資本や資金調達能力など、該当する基準を資料で確認します。特定許可では欠損等について別の数値基準があります。
